やりたくなるリハビリ

健生会リハビリテーション研修会を行いました

2023年11月11日、健生会リハビリテーション研修会を行いました。

【講演内容】「在宅生活を意識した連携と協働を考える」~訪問リハの視点からの提言~
【講  師】日本訪問リハビリテーション協会会長 宮田 昌司先生

リハビリの他にも歯科衛生士・訪問看護師など、多職種が参加しました。

講演プログラム

①私たちの心~リハビリテーション・マインドは~
②地域ケアの背景と構造
③地域で働く療法士のスタンス
④地域におけるチームワーク
上記内容でご講演頂き、退院後、地域(自宅)で何が起こっているのか、事例を交えながら様々な課題についてリハビリとして、どのように関わっているのか、多職種協働の重要性についてお話を頂きました。

グループワーク

➀多職種協働の課題とは
②その課題をどう解決するか
上記の内容に対して、急性期、回復期、生活期それぞれの立場から活発な討論が行われました。
最後にグループ毎に出てきた課題やアクションプランを宮田先生にまとめて頂き全員で共有することで理解を深めました。

家にはその方の人生が刻まれている ー 訪問リハビリで思うこと

 当院では、入院から自宅退院後の生活が安定して送れるよう支援しています。その方の「出来ること」を「していること」に繋げていくため、身体機能や動作訓練・介助者への指導や環境調整・療養相談などを行っています。
毎週訪問していたA氏は、座位保持が出来たことをきっかけに座って食べる、得意だったワープロ作業を行うなど、徐々に「していること」が増えていきました。しかし、それに伴うリスクも考慮しなければなりません。介助者への聞き取り、現状把握を踏まえ、転倒予防への環境調整や関わるスタッフにも伝達していくことが必要になります。
いつも居る場所、見える景色、小物、匂いなど 家にはその方の人生が刻まれています。その人らしい生活を支えるため、目標を見つけることは訪問リハビリに携わるものとして悩むところでもあり、醍醐味でもあると感じます。その方の生活に寄り添えるサポートが出来るようチームで取り組みます。

『庭の空気を吸いに行こう』 (^o^)/   ベッド誘導で外気浴 

『庭の空気を吸いに行こう』
当院には、季節の移り変わりが感じられる、彩り豊かな庭があります。庭は常に、ボランティアの方々によって手入れが行き届き、季節ごとに美しい草花で溢れています。また、野菜も栽培されていますので、タイミングが合えば、わくわくする野菜の収穫風景を見ることもできます。庭へ出ると、いつも陽の光や風が心地よく感じられ、時には、木々を訪れる野鳥の囀りも楽しむことができます。リハビリ室は庭に面していますので、季節を感じながらリハビリが行えるのが魅力です。

庭への行き方には、患者さんの状態によって様々な方法があります。歩いて行かれる方もいれば、車椅子に乗ったまま庭の周りを散歩される方、ベッドに寝ている方でも、全身状態が落ち着いていれば、なんと、ベッドごと庭へ出ることもできます。いつも眺めている病室の壁や天井から離れ、庭の景色を楽しみながらのリハビリは、まさに当院ならではの、素敵な特徴と言えるのではないでしょうか。
病室から庭へと移動する間には、いつもスタッフの皆さんから、温かい声をかけていただいています。『お庭に行かれるのですか。楽しんできてくださいね!』

美しい庭を見て、そして、心行くまで外の空気を吸ってのリハビリが、患者さんの心に新たな希望の光となることを願っています。

「庭で作ったじゃがいもだからより美味しく感じるね」 

~じゃがいも作りから調理活動を通して~

元々じゃがいも作りの経験があるA氏と種芋用意、灰づけ、種まき、芽かき、収穫、調理といった一連の活動を作業療法で行いました。

普段は物事を覚えている事が難しく、日付や季節が解らなくなったりする事が多いA氏ですが、雨が続き梅雨に入った事をお伝えすると、「雨が続くとあの芋達は大丈夫かな?」と心配されたり、庭園を散歩する際には畑のじゃがいもの成長を毎回見届ける様子がみられました。今年は豊作で100個以上のじゃがいもが収穫でき、共に喜びました。じゃがいもピザを作った際には笑顔で嬉しそうに話される姿や、「芽かきをそろそろした方がいいんじゃない?」と助言を下さる等、普段よりも意欲的に作業に取り組まれる様子がありました。

 仕事を成し遂げたという充実感・達成感が得られる事、すくすく育っていく過程が目に見えてわかる事、土の香りや手触り、初めて食べるじゃがいもピザの味等、多くの五感への刺激は私達に様々な変化をもたらしてくれる要素の一つだと思います。

ポジショニングとは

普段私達は就寝中に何度も寝返りを行うことで、身体の同じ部位に圧がかからないように調整できています。しかし手足や体幹などに重度の運動麻痺や著しい筋力低下を有する方達は自力で寝返りを行うことが困難なことが多く、介助者側で一定時間事に良肢位に体位変換を行う必要があります。

不良肢位になる事で寝ている際には必要ない筋肉の緊張がみられてしまうことがあります。そこでクッションなどで身体とベッドの隙間を無くしたリラックスできるポジショニングを行い、筋肉の緊張の緩和を促す必要があるのです。

当院ではリハビリスタッフが患者様に合わせたポジショニングを設定し、シートを作成することで病棟スタッフ全体でその患者様の良肢位を確認し、適宜体位変換を行っています。ポジショニングを行うことで筋緊張の緩和はもちろんですが、褥瘡の予防や浮腫の軽減を促すこともできます。
患者様皆様が安全に安心して病棟での生活を送れるようにスタッフで共有しています。

ポジショニング① 👈 ここをクリック
ポジショニング② 👈 ここをクリック

ポジショニング学習会の様子