療養生活の「質」の向上を

 当院はベッド数107床の療養病院で、超高齢社会となる2025年に向けて、「地域に根ざした療養病院」をめざしています。差額ベッド料はいただきません。これまで培ってきた老年医学を基礎として、看護師、ケアワーカー、リハビリスタッフ、薬剤師、医療相談員(MSW)などの多職種によるチーム医療をすすめています。
 地域包括ケア時代に向けて、単なる入院にとどまらず、「おうちに帰る」ことをめざしつつ、楽しい療養生活が送れるような工夫を凝らしています。地域のボランティアによるゲームや音楽鑑賞会なども積極的に開催。療養生活の「質」の向上を心がけています。

在宅の環境整備もアドバイス

 「おうちに帰る」を実現された患者さんのより良い生活環境に向けて、看護師やリハビリスタッフやケアワーカーが患者さんのお宅を訪問して、おうちでの過ごし方や環境整備についてのアドバイスもさせていただいています。
 「最期は家で迎えたい」という患者さんの希望をかなえるため、「おうちに帰る」ことの可能性をスタッフが力を合わせて追求しています。

入院から在宅まで、切れ目なくサポート

 当院では訪問診療も行っていますので、おうちに帰った後のケアも継続して行うことができます。入院中の看護師やケアワーカー、職員が引き続きお宅を訪問しますので、患者さんやご家族からも「安心だ」と好評です。
 当院でお亡くなりになる方ももちろんいらっしゃいますし、そのためのターミナルケア(終末期医療)も提供していますが、「おうちに帰る」ことをめざせる方については、たとえ短期間でも在宅生活を支援したいと考えています。患者さんのなかには、ご家族に気を使って「帰りたい」と言えない方も多いのです。
 これまでの経験でも、ガンのターミナルケアで、ほんの数日間でしたがご自宅に帰り、最期を迎えた方もいます。

スタッフの教育も充実

 患者さんやご家族の気持ちに寄り添う医療をめざし、スタッフの教育にも力を入れています。患者さんやご家族の生活を知るために、看護師やリハビリスタッフ、ケアワーカーを実際に患者さんのご自宅に訪問するといった研修も実施しています。
 地域包括ケアに対応するため、当院では24時間365日のサポート体制を組んでいます。そのため、看護体制は他の療養型病院よりも手厚いと思っています。11月からは地域包括ケア病床を18床開設しました。

 当院は、立川相互病院などを運営する健生会グループの一員ですから、急性期から慢性期まで、あらゆる時期の医療・看護を経験することもできます。多様なニーズに応えられる人材を育成しているという自負があります。
現在常勤医3人(総合内科、神経内科、外科)および、立川相互病院から応援をいただいておりますが、病棟・在宅など、まだまだ医療は拡大していく方向にあります。
療養病棟・在宅外来などに力を貸していただける医師の参加をお待ちしております。

思いやりあふれる医療チームをめざして

 また、「褥瘡(じょくそう)チーム」など、患者さんのケアを中心とした職種横断的なチームも数多くあり、職種の違いを超えた経験を積むこともできます。とくに当院には経験豊富なスタッフが多く、先輩の話を聞くだけでも勉強になると思います。
 人が好きでお年寄りが好き、そして障がいを持った人にもやさしくできる、そうした高い志を持ったスタッフとともに、これからの時代を切り拓く老年医学を実践していきたいですね。