口腔内のカンジダ菌について

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けんせい歯科 歯科医師 浅野貴博

 
1)カンジダ菌について
口の中には、細菌だけでなく通常何種類ものカビの仲間も住んでいます。
その中で有名なものがカンジダ菌です。普段はおとなしく目立たない存在なのですが、口の中が汚れていたり、体力が落ちたりすると、白い斑点状になって舌や上あごに広がります。特に気をつけないといけないのが、入れ歯を使っている方です。
 
2)入れ歯を(基本)毎食後洗おう!
目では見えませんが、入れ歯のプラスチックの表面には微小な穴が開いており、汚れがつきやすく水分を含んでいるので、カンジダ菌にとって住みやすい環境となっています。カンジダ菌が入れ歯にくっついて増えると、デンチャー・プラークと呼ばれるヌルヌルができます。これはカンジダ菌の塊で、そのまま使っていると舌やあごが赤くただれ、ピリピリと痛むカンジダ症を起こしてしまいます。さらにデンチャー・プラークが付着してから時間がたつほど、プラーク(細菌の塊)は熟成してバイオフィルムになります。デンチャープラークのコントロールの基本は機械的洗浄ですから、入れ歯用ブラシ等を用いて、まず入れ歯の洗浄を行う必要がありますバイオフェルムは丈夫な膜になっており、洗浄剤の殺菌力がバイオフィルム内に浸透せず洗浄剤が効きにくくなっています。入れ歯も自分の歯と同じように、毎日のこまめなケアが大切です。
 
3)体力の落ちた時は気をつけよう!
また、カンジダ菌は他の細菌たちと同じように、日和見感染症つまり健康な人にはなんともありませんが、体力の落ちた人に口内炎、食道炎、心内膜症などを起こすことがあります。
高齢者の肺炎の原因にもなりますので、日頃から口の中と入れ歯の清潔に気をつけていきましょう!

参考:「1996年要介護高齢総義歯装着者の洗浄に関する調査」福田倫明氏 より