ピル
◆ ピルは正しく服用すれば、ほぼ100%の避妊効果が期待できます。女性が自分の意志で避妊できる方法でもあります。
ピルってどんなもの?
◆ ピルには卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれています。これが脳下垂体に作用して、卵方の発育と排卵が抑制されます。
◆ その他に、子宮内膜を受精卵が着床しにくい状態にしたり、子宮経管粘液(排卵期になると子宮頸部(けいぶ)から分泌され、精子を進入しやすくする体液)を変化させて、精子を進入しにくくします。
副作用はあるの?
◆ ピルの副作用、もしくは副作用と思われているものについて解説します。
◆血栓症
ピル非服用者の血栓症リスクは低く女性10万人あたり年間5例ほど。ピルの内服によりそのリスクは3〜5倍まで増加しますが、妊娠時のリスクよりは相当低いと言えます。
◆乳がん
ピルの使用によって(服用期間にかかわらず)乳がんの発生率はほとんど変化しません。
◆子宮頸(けい)がん
5年未満のピル使用では、子宮頸(けい)がんのリスク増加はごくわずかですが、5年以上使用するとリスクが増加する可能性もあります。子宮頸(けい)がん、乳がん共に、早期発見のためにもピル内服の有無にかかわらず定期的な検診をおすすめします。
◆体重増加
ピル内服による体重増加の根拠はありません。
ピルの避妊以外の利点
◆月経困難症
月経時のけいれん性の腹痛が軽くなります。
◆過多月経
ピル服用により月経血量は減少します。
◆卵巣がん
上皮性卵巣がん発症リスクが40〜50%低下。卵巣がんの死亡率は、ピルの服用期間が長期化するのに伴って低下します。
◆子宮体がん
ピルの使用により発症リスクが50%低下します。
◆骨粗しょう症
ピルは加齢による骨密度の減少に対して予防効果をもたらします。
◆にきび
ピル使用により、にきびは軽減します。
ピルはどこで購入できますか
◆ ピルは病院での医師の処方が必要です。ピルを飲める人と飲めない人がいますので、医師と相談してからの処方になります。
立川相互病院の場合は次の通りです。
1.問診票を記入する
2.医師の診察
3.必要に応じて検査
4.検査で異常なし
であれば、ピルが処方されます
ピルの服用方法
◆ ピルは毎日決まった時間に内服します。決まった時間であれば、何時でも大丈夫です。
◆ ピルには21錠タイプと28錠タイプがあります。21錠タイプは4週目がなく、28錠タイプは4週目にホルモンの含まれていない薬を飲みます。これは習慣づけて飲み忘れを防ぐためです。4週目に「消退出血」といわれる出血があります。
その他ピルについての質問
◆ ピルを飲み終わったら妊娠はできますか
ピルの内服をやめると、通常通りホルモンが分泌され、月経が始まり妊娠が可能となります。
◆ 性感染症(STD)は予防できますか
ピルの内服だけではSTDは予防できません。STD予防にはコンドーム使用が不可欠です。
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