理事長あいさつ

社会医療法人社団健生会 理事長 草島 健二

 健生会は八王子とともに立川に診療所を開いてから2024年で73年になり、1月には70年誌発行を予定しています。引き続き、皆さまとご一緒に地域で人権を護り、無差別平等の医療・介護を進める決意です。
 昨年は、世界的な異常気象で、国連事務総長が「地球沸騰化」と危機感を表明し、国内も異常な暑さに見舞われました。地球環境が人類の生存に厳しい状況の一方で、毎日のように多くの子どもたちが戦禍の犠牲になっています。第二次大戦の大きな犠牲のうえで制定された日本国憲法の存在は、日本政府が再び戦争に加担しないように規制し、今の時代に平和の希望を与えています。
 新型コロナ・パンデミックは4年間にわたり世界を席巻し、多くの福祉施設などがクラスターに見舞われ、社会的格差など多くの矛盾を露呈させました。健生会も地域の皆さまとともにコロナ対応に全力を挙げました。皆さまの奮闘に心から感謝を申し上げます。
 この圏域では、地域の18病院と保健所など行政も参加し、ほぼ毎月率直な情報共有が行われ、対応を意見交換しました。地域のコロナ対応を進めるうえで大きな役割を果たし、貴重な経験になりました。
 健生会は、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう地域との連携を強めます。立川相互病院は高齢者救急など急性期機能を一層強化し、地域連携を進めるとともに、診療所を中心に在宅医療・介護を支える取り組みを発展させます。また、2025年には、あきしま相互病院を199床に増床し、訪問看護や介護部門も併設し、急性期後の回復期リハビリとともに、在宅での療養を支えるセンターとして発展させる計画です。
 地域では高齢独居の方が増え、孤立が進む中で、社会的なフレイル(虚弱)から認知症や骨折など健康障害をきたすことが心配されます。地域のつながりを一層深め、一人ひとりの人権が大切にされるように、健生会グループ(健生会・地域保健企画・三多摩福祉会)は、三多摩健康友の会や八王子・たま健康友の会と手を携えてまちづくりを進めます。
 発がん性がより明確になったPFAS(ピーファス)による水汚染が立川市、国分寺市など多摩地域の広範囲にわたることがこの間の調査で明らかになりました。横田基地の泡消火剤漏出事故が大きな要因とみられています。健康被害を防ぐために、検査体制や相談外来の確保を含め、地域の皆さまとご一緒に取り組みを継続させていきます。
 今年は辰(龍)年です。登り竜のごとく、皆さまが倖せな年になりますよう祈念します。

2024年1月