信頼関係が何より大切
当院は療養病院なので、急性期病院のように治療や検査中心ではなく、患者さんの療養生活をサポートするのが看護師や介護職の仕事になります。そのために、患者さんの心に寄り添うことを何より大切にしています。
入院患者様はご高齢であったり、急性期治療を終えたばかりであったり自身で動けない方が多くいらっしゃいます。認知症の患者さんは意思疎通できない場合も多く、食事したことを忘れてしまう方もいます。日常の生活援助を行いながら、コミュニケーションをとって、その人が大切にしていることを理解し、気分転換ができるように心がけています。
患者さん自身を知ること、そしてご家族との信頼関係を築くこと、それが「よいケア」の必須条件ですね。
専門知識がしっかり学べる
当院は健生会グループの看護部初期研修である「選べる5つの研修コース」の中の「老年看護コース」の担当でもあります。卒1~4年目の看護師たちで定期的に集まり「高齢社会に立ち向かう看護師!」をキャッチフレーズに老年期の特徴をとらえたケアを学び実践する研修です。当院で行っている老年医学講座では、疾患やケアについて専門スタッフから講演を行ってもらっています。健生会で勤務する認知症認定看護師や老人専門看護師に集合研修に参加してもらい、アドバイスをもらっています。
病棟は「おうちに帰ろう」をテーマに在宅療養生活支援を行っています。今年から退院マネジメント委員会を立ち上げました。医師、看護師、介護職、リハビリセラピスト、相談員の多職種が集まり、患者さんが退院するために必要な援助について話し合っています。
とはいえ、日々仕事に追われているのも事実です。病棟の仕事では、幅広い年代が揃っているので、先輩から仕事をきめ細かく教えてもらえるのも魅力です。
アットホームで連携もスムーズに
当院はベッド数107床と規模が大きくないので、病院全体がアットホームな雰囲気です。病棟と在宅室、通所リハビリテーションとそれぞれにかかわる分野が異なりますが、協力することで連携もスムーズにとれると思います。
終末期の患者さんで、もう何も手が尽くせなくなった時、ご本人はいつも「家に帰りたい」と言っていたことから、ご家族も希望し自宅にお帰りになったケースがありました。退院後は当院から入院中の主治医が訪問診療を行い、お花見を楽しみ、退院から4日後、ご家族に見守られながら静かに息を引き取りました。病棟→在宅室、病院全体で支援ができたケースでした。
患者さんやご家族の思いをかなえてあげられるようなケアができた時は、やりがいを感じますね。それにはやはり、患者さん自身を知ることに加え、専門知識と多職種の連携が不可欠。当院は全職種で120人ほどのスタッフなので、顔が見える関係がよいところかなと思っています。
子育てしながらでも働ける職場
当院のモットーは「地域に根ざした病院」。この地域に暮らしながら働いているスタッフが大勢います。子育て世代も多く、今年は4人も産休に入ってしまって、管理職としては頭が痛いところです(笑)。
私自身、看護管理になってから産休・育休を取りました。子育てをしながら役職に就いている人もたくさんいます。私も、家族とスタッフがみんなで支えてくれたので、復帰せざるをえなかったというか(笑)。なので、仕事を続ける楽しさも大変さもわかります。看護師はいったん離職してしまうと復職しづらいのが現実です。短時間しか働けない期間があっても、“細く長く”現場とつながっていることが大切だと実感しています。
あなたも「チームあきしま」の一員に!
私たちはよく「チームあきしま」という言い方をするのですが、患者さんやご家族もチームの一員だと思っています。患者さんが何か問題を抱えている場合、スタッフが協力しあうのは当然ですが、患者さんやご家族と一緒になって考えていくのが理想だと考えています。
療養病院は、患者さんとじっくりと向き合うことが大切です。そんな看護・介護をやりたいと思っている方にぜひ、「チームあきしま」の一員になってほしいですね。