「家庭医」という言葉を聞いたことがありますか

八王子共立診療所所長
奥野 開斗
健康のひろば第171号(2025年9月15日)より

 みなさんは「家庭医」という言葉を聞いたことがありますか?
 家庭医とは、地域住民の健康のために、より地域に近いところで働く総合診療医のことです。総合診療医といえば、この夏のドラマ「19番目のカルテ」で松本潤さんが好演しましたが、彼が演じたのは主に総合病院で働く総合診療医でした。
 「専門医」は、特定の臓器や疾病に対して高い専門性をもって力を発揮しますが、それぞれの守備範囲の外の問題には基本的に関わりません。患者さんの抱える問題が、それぞれの守備範囲に収まっているうちはそれで良いのですが、しばしば問題は複雑で個別性が高く、守備範囲を超えるどころか、医学的な問題の外側まで広がっていることもあります。
 一方で、家庭医の目指すのは「地域のなかで、なんでも相談にのる医療の専門家」です。実際には、日常のよくある健康問題に対して、年齢や疾患を問わず、予防医療から複数の疾病が併存している状態のマネジメント、専門医への橋渡しなど、心理社会的問題や家族との関係性も重視しつつ、包括的に対応しています。
 八診では現在3人の家庭医(奥野、小松、中西)が診療にあたっていますが、10月から家庭医を目指して研修中の野口恵里花先生が、新たに加わってくれることになりました。松本潤さんも顔負けの新シーズン。どうぞお楽しみに。

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