T君と生協

 T君は入学初めから、クラスで大学生協の入会や利用を呼びかけていた。プレハブの生協は、私たち一般学生にはありがたい定食などを出していた。合宿の朝練を終え朝食をとり授業に出た。キャンパス施設の建替えの時、実績と学生の署名で、生協は新店舗を確保した。6年間学生の生活向上に熱心だったT君は「生協のTか、Tの生協か」と言われた。卒業後立川で一緒に研修を開始した。その後千葉にある民医連病院の再建に参加し、今も働いている。土曜休日の朝も病院に寄り患者さんを回診している。
 世間には、自ら目立たずこつこつと物事をなす人がいる。あなたもそうかもしれません。政治の体たらくと新自由主義で社会の底が抜けかけていても、社会は土台を保ち、持ちこたえている。

宮地秀彰

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