夜明け前へ

 社会に出てから沖縄を訪れ、妻と子どもと広島を訪れた。沖縄の「魂魄の塔」では何万もの名も分からず、誰にも記憶されることのない犠牲者を知り、広島の平和記念公園では一瞬にして命を奪われた多くの原爆犠牲者を知った。その人たちが横たわっていた地に、自分が立っている恐怖と痛ましさを感じた。ウクライナとガザの、理不尽な死を強制される市民と重なる。私たちは、始まった戦争を誰も止められない世界に住んでいる。
 まず止め、起こさせない。私たちと世界の市民の運動が核兵器禁止条約を成立させ、核兵器を法的に悪とした。私たちは国のかたちを定め、国を縛る憲法を、非戦の九条を持っている。国に戦争の準備をさせず、平和を準備するためにつながり、できることを進めよう。

宮地秀彰

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