八王子共立診療所所長
奥野 開斗
健康のひろば第164号(2024年1月15日)より
明けましておめでとうございます。
「ひろば」に集う地域のみなさんに支えられ、八王子共立診療所は、新たな年を迎えることができました。核兵器も戦争もない平和な世界の実現と、命と人権が輝く健康な町づくりのために、引き続き力を尽くしたいと思います。
今年は、新たな取り組みとしてACP(アドバンス・ケア・プランニング)の普及・啓発に力をいれたいと考えています。ACPとは、命に関わる大きな病気をしたとき、人生の終末を迎えようとするときに、自分が希望する医療やケアを受けるために、前もって周囲の信頼する人たちと「死生観」について話し合い、特に「自分が大切にしていること」や「これだけはしないと決めていること」について共有しておくことです。「人生会議」とも呼ばれています。
これまでも、患者さんから人生や死生観について教えてもらうことが多くありました。ある90代の女性は、毎年、元旦に延命治療についての「意思表明書」を毛筆でしたためていました。
「先生には悪いけど、もう十分生きたし、あちこち悪くて生きるのも大変。早くお父さんのところに逝きたいの」そんな穏やかな笑顔を、今でもよく覚えています。
ACPの取り組みを通して、これまで以上に患者さんの人生に寄り添い、なんでも相談できる診療所を目指します。