貧困と格差を広げる政治には決別を

八王子共立診療所所長
奥野 開斗
健康のひろば第166号(2024年7月15日)より

 高校に入学したばかりの頃、社会科の教師が黒板に世界地図を描きながら、「若いうちに海外旅行に行くならインドに行きなさい」と話していました。理由は、高層マンションのすぐ裏にスラム街が広がる光景を見ると、日本では感じることができない貧富の格差について否が応でも考えさせられるから、というようなことでした。
 20年近く前のことを思い出したのは、小池都知事が観光客向けに都庁の壁にゴジラの映像を映す事業に48億円もの税金を注ぎ込む一方で、その足元では生活困窮者向けの食料配布に800人近い行列ができているという報道を見たからです。
 すでに日本でも格差と貧困をまざまざと感じるようになって久しいですが、そのほとんどの期間、政権を担っていた自民党は実は企業から集めた裏金を選挙資金にすることで選挙に勝っていたことがわかりました。おかげで私たちの納めた税金が、本当に困っている人たちのためではなく、利権で甘い汁を吸う人たちのために使われることになり格差は広がるばかりです。
 小池都知事は8年前にその自民党に反旗を翻して都知事になったはずでしたが、1月の八王子市長選で自民党候補の応援に駆けつけ「同じ穴」に戻ってしまいました。優先順位のおかしい「ムジナ」の政治には決別が必要です。

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