高額療養費制度の負担限度額引き上げを撤回すべき

八王子共立診療所所長
奥野 開斗
健康のひろば第175号(2026年10月15日)より

 高市政権は、多くの当事者や医療関係者の反対を無視して、8月から高額療養費制度の負担限度額引き上げを強行しました。
 2025年に保団連が実施した、子育て中のがん患者を対象にした調査によると、引き上げの影響について4割が「治療を中断する」、6割が「治療の回数を減らす」と回答。自由記述では、すでに自分の治療費と子どもの養育費・教育費とを天秤にかける残酷な状況に追い込まれていることが明らかになりました。一部を紹介します。

●まだ生きなければと、これまで治療を頑張ってきましたが、上限が引き上げられれば、私は治療を断念すると思います。子ども達のこれからのお金を私が食い潰す訳にはいきません。[30代男性、肺がん、子ども2人(13歳、8歳)、自営業・個人事業主]
●引き上げになり何か支出を減らす必要があれば、真っ先に自分の治療費を減らすと思います。子どもたちが私の治療のせいで進路を変更するなんてあり得ません。なら死にます。[50代女性、乳がん、子ども2人(19歳、16歳)、非正規社員(フルタイム)]

 国民の2人に1人はがんになる時代です。思いがけず大病を患ったり、事故に遭うことは誰にでも起こります。
 そんな時に、お金の心配をせずに必要な医療を受けられることは、全国民の願いではないでしょうか。
 高市政権は、今からでも負担限度額引き上げを白紙撤回し、むしろ引き下げていくべきです。

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