立川の図書館で、来年度から使用する教科書候補の展示があり、中3国語を手にとった。とても面白かった。小川洋子、坂本龍一、手塚治虫、村上春樹の随筆や短編。吉永小百合の書き下ろしもあった。現代の書き手の選び抜かれた文章から、その思いやメッセージが心に届く。編集者たちの子どもに向けた熱意も感じた。
中3の私はどうだったろう。残念ながら受けとめる心の土壌がなかった。心に残る記憶はない。随筆や小説を楽しんで読むようになったのは最近のことだ。仕事や子育て、社会の活動の経験を重ね、時間の自由を得てからだ。そして書き手に対しても、新しい発見があった。ともあれ身近な中学生から、国語教科書を借りて読まれることを、お勧めしたい。