「凍結」は「解凍」させてはならない

 国会で高額療養費制度の上限引き上げが凍結に追い込まれた。医療費の自己負担に月額の上限を設ける仕組みだ。がんや難病、入院治療の患者など全世代の命綱だ。当事者である患者団体の声を全く聴かず、こそくにも法改正の手続きをせず新年度予算で通そうとした。「死ぬことを受け入れ、子どもの将来のためにお金を少しでも残す方がいいのか追いつめられています」。長期の治療が必要な患者・家族の生活が成り立たたず、少数で一番弱い人びとに治療をあきらめさせる国の姿勢に世論が対抗した。
 国の豊かさは、社会の一番弱い人々を、どのように扱うのかに最もよく現れるという。凍結は解凍させてはならない。人の命と尊厳の命綱は、守らなければならない。

宮地秀彰

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