伊勢湾台風は小学3年生。祖父の親戚が避難してきて、乾パンを土産にもらった。台風のとき、雨は太い筋になり、少し斜めにゴーゴーと音を立てて流れていった。柱がミシミシと鳴り眠れない真夜中、母が果物をむいてくれた。父が外で作業をしているとき、飛んできたトタンで口元に大きなケガをした。台風一過、木の葉や壁や道は洗われ、空気は澄んでいた。幼い頃は親といる安心から、危険の只中にあるのに呑気なものだった。
6月早々、大雨の台風が来た。線状降水帯という言葉が当たり前になった。秋にはどうなることだろう。気候危機。国連事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と警告している。大国が次々と戦争を始める時代でもある。呑気は許されない。