知ること

ある朝小学生の息子が登校をしぶった。せかすように自転車に乗せ学校に連れて行った。後日聞くと、あの時間は校庭に人がいていやだった、と。気持ちも分けも聞かずの押しつけだった。子が困難を抱えたとき、親には受け止め、背景を想像する力が必要だ。受け止められてこそ安心して次に進める。親もそれを理解できれば、余裕をもって対応できる。若い親子には試行錯誤が続く。そのときの周囲の支えはありがたい。理解者は子も親も楽にする。

困難や目立った違いがあることで、生きづらい社会になっている。だが認知症に見るように、知識の普及や地域の支えがあると、当事者も家族も生きやすい。この10年を振り返って実感する。知ることと支えあいは力だと思う。

宮地秀彰

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