家族のお産

私が5歳のとき母は実家で妹を出産した。その下の弟は自宅だった。真夜中父はお湯を沸かし運んでいた。60年以上前のことだ。オランダの友人の経験を聞いた。今も自宅出産が多く、病院でのお産は基本的に日帰り。助産師とヘルパーに当たる専門職が妊娠中とお産、その後のケアを行う。母だけではなく家族の支援も行う。母がお産に専念できるよう父と子どもも参加し、母を支え新しい家族を迎える。子どもの役割も年齢にふさわしく配慮される。これらは保険でまかなわれる。必要時の病院との連携は円滑のようである。専門職と病院は、母と赤ちゃんを真ん中に家族を支える。
今の日本は病院出産がほとんど。コロナ禍で家族の付添い分娩も面会も、ほとんど禁止となっている。

宮地秀彰

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