壊された心の回復

8月7日市民会館で「PTSDの日本兵の家族の思いと願い・証言集会」があった。友の会員でもある黒井秋夫さんらが開いた。先の戦争で生死にかかわる過酷な体験から心的外傷後ストレス障害(PTSD)により、心を壊された帰還兵と家族の痛切な被害の証言である。侵略戦争である以上、兵士は加害者であるが、PTSDを発症した兵士とその家族は被害者でもある。
戦後その存在は隠された。日本はアジア・太平洋の国々で2000万人、日本人も310万人を死に追いやった。230万人の兵士の6割以上は餓死だという。言葉もない。
国と私たち市民は「一億総懺悔」で戦争責任をあいまいにした。自らの戦争責任を認め、果たしたならば、帰還兵の心の傷は癒されたかもしれない。憲法九条はその精神を持っている。

宮地秀彰

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