子どもとことば

遠くの4歳児が自分の名前を書いた画像を送ってくれた。父のを見て、絵を描くようにまねたのだろう。子どもは母の心地よさを感じ、まとまった「自分」があいまいな状態から、言葉で物事と自分をありありと分かるが、大変な道のりだと思う。
私は入学の時、ひらがなはカルタで自然におぼえていたが、書けなかった。カタカナ、漢字、ABC。ゼロから刻み付ける根気がいった。言葉で物事や関係、違いを知り、コミュニケーションを広げ、社会に出た。あらためて子どもは苦闘を続け進化する健気な人びとだと思う。
4歳に会ったので聞いたら、名前は「書けない」とあっさり。このごろ私は漢字が出ず、書いてもあやふや。スマホを辞書に確かめている。ゆっくり、たっぷり。ぼちぼちやろうね。

宮地秀彰

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