③実は深い関係―糖尿病と歯周病

糖尿病の人は、歯周病になりやすい。
また、歯周病の状態が悪いと血糖値のコントロールに影響を与えるといわれています。

歯周病は歯周病菌(プラーク)は慢性的な歯と歯肉の炎症をおこします。
この炎症という状態はサイトカインという物質をつくります。これは、血糖値を下げるために分泌されたインスリンの働きを阻害するものがあり、インスリンの効果が現れない状態となります。その結果、血糖値のコントロールが難しくなるといわれています。

また免疫機能が低下し、細菌に対する抵抗力が落ち、感染しやすくなるので、歯周病にかかりやすく、重症化しやすいのです。
糖尿病の患者さんの歯周病を治療することで、血糖値のコントロールが改善し、重症度の指標である血液中のHbA1c濃度が低下するとの報告があります。

さて歯周病は歯肉の病気です。
歯と歯肉の間の溝である「歯周ポケット」に歯周病菌(プラーク)が入り込みます。

歯肉の中には歯槽骨という歯を支えている骨があります。
この歯槽骨が歯周病菌(プラーク)によって、だんだん溶けていく。
歯はこの骨が溶けてしまうとぐらついてついには抜けてしまう。
歯周病は歯医者さんで「アーン」と口を開けていれば治るものではありません。
この歯周病菌(プラーク)をブラッシングで取り除くことが最善の治療法です。
一人一人の口の中や歯並びに合わせたブラッシングの方法を身に着けることが大切です。
実は糖尿病も歯周病も毎日の生活習慣の中で治療をする。
定期的にお医者さんに受診して今の状態を知って適切な指導を受けること。
医患共同作戦で治療していくことが成功の秘訣です。