知らないうちに血管にダメージ!?コレステロールにご用心:暮らしの健康教室

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脂質異常の改善 今日からできることを

みなさん知っていますか?脂物を多く摂っているイメージがあるアメリカと日本を比較してみると、実はアメリカでは男女ともコレステロール値は低下し、特に80年から90年にかけては10mg/dl低下しています。一方、90年の日本人女性はアメリカ人女性より高いコレステロール値を示すようになり、男性の数値も上がっています。いまや日本人こそ脂質異常対策をとらねばいけない時代になっているのです。
コレステロールには多すぎてはいけないものと、ある程度増やしたいものがあります。多すぎてはいけないコレステロールはLDLコレステロールといい、多すぎると血管の弾力がなくなる動脈硬化を引き起こす原因の一つとなります。一方ある程度増やしたいコレステロールはHDLコレステロールといい、これが充分にあると動脈硬化の防止・進行を抑えてくれます。
脂質異常そのものは自覚症状がありません。しかしその状態が続くと、身体の中では動脈硬化が進み心臓病や脳卒中を引き起こす怖れがあります。

脂質異常改善のポイントは主に5つです。
①肥満の解消。
肥満の方はまず、体重の5%の減量を目指しましょう。
②食事の見直し。
菓子類や清涼飲料水は控えめにし、野菜類やきのこなどの食物繊維が多い食品、魚の油や大豆製品を積極的に摂りましょう。
③調理方法の見直し。
揚げ物は控え、茹でる・蒸す・焼くという工夫も効果的です。
④適度な運動。
運動には体重を適正に保つだけではなく、HDLコレステロールを上げる効果があります。
⑤適度な飲酒。
適度な飲酒量を守り、つまみを野菜や酢の物にしましょう。

脂質は自分で数値を知るのが難しいものです。だからこそ、年に1回は健診で数値を確認することが大切です。知らないうちに血管にダメージを与えないよう、ぜひ今日からできることを始めてみて下さい。それでも数値が良くならなかったり、すでに受診が必要といわれている場合は、医療機関で相談してくださいね。

脂質異常改善 5つのポイント
①肥満の解消    肥満の方は体重の5%減量を
②食事の見直し   野菜・きのこ、魚・大豆製品を摂る
③調理方法の見直し 揚げ物控え、茹でる・蒸す・焼く調理
④適度な運動    HDLコレステロールを上げる効果も
⑤適度な飲酒    適度な飲酒量を守りつまみは野菜に

◇健康のいずみ 第514号(2016年10月5日)より

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