5階東病棟「印象に残った患者さんとの関わり」
若手看護師私は5階東病棟で働いている2年目看護師です。
私が印象に残っている患者さんは肺がんで入院していた70代男性の方です。
もともとADL自立で歩くことができていました。約1年半、抗がん剤治療を続けていましたが、徐々に体調は悪化していき疼痛や足の筋力の低下などがみられ、離床が困難な状態になりました。そんな中、患者さんは「自分の足で立ちたい」と頻繁に訴え続けていました。病状から考えると、筋力の低下により転倒のリスクが高く、離床は難しいことを伝えました。しかし、患者さんは「なんでなにもしてくれないの。こんなにお願いしているのに。」と言いました。その言葉は私の心に深く響き、患者さんにとってベッドから起き上がるということが、どれだけ強い願望であり、そしてそれが患者さんの生きる意志を表しているのだと感じました。私は患者さんの願いをどうにか叶えたいと強く思いました。しかし、現実的にはやはり転倒のリスクが大きく、一人で行うことは不可能でした。そこで、先輩に相談し二人がかりでの離床を試みました。私と先輩が支えながら、患者さんをベッドから起こし、数秒ではありましたが患者さんは立ち上がることができました。その時に、微笑みながら「ありがとう。わがまま言ってごめんね。」と言葉を残しました。その笑顔は私の胸に強く残り、患者さんが抱えていた痛みや苦しみを少しでも和らげることができたのではないかと感じました。
この出来事は、私にとって非常に印象深いものであり、患者さんが最後まで持っていた「立ちたい」という希望を叶えるために、私たちができることは何か、限られた時間の中で考え行動することの重要性を学ぶことができました。患者の苦しみや希望に寄り添う姿勢の大切さを、改めて感じた瞬間でした。
