理事長あいさつ

社会医療法人社団健生会 理事長 草島 健二

 健生会が立川と八王子に診療所を開設して75年を迎えます。引き続き、皆さまと手を携え憲法13条にある個人の尊厳と幸せを第一に、無差別平等の医療介護を進める決意です。
 新自由主義の推進により、貧困・格差・孤立が拡大し、軍事費優先、医療や福祉予算削減等の政治が強まっています。ウクライナや中東での戦禍は収まることなく、多くの子ども、市民が犠牲になっています。核兵器が脅しに使われる中、被爆の実相と核兵器廃絶を訴えてきた被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞しました。その意義は大変大きいと感じます。そして日本国憲法は、今の時代に平和と人権尊重の社会実現へ希望を与えています。

 立川相互病院は、昨年、東京都から「地域医療支援病院」に認可されました。救急や手術など急性期機能をいっそう強化し、地域連携を前進させます。また、この2月にあきしま相互病院を199床に増床し、回復期リハビリ病棟などを設置するとともに、訪問看護や介護部門も併設し、在宅医療介護を支える総合センターとして動きはじめています。
 地域では高齢独居の方が増え、フレイル(虚弱)から認知症や骨折など健康障害の増加が懸念されています。社会的孤立は、大きな健康リスクです。立川市をはじめ10市に拡がる健生会の診療所を中心に在宅医療介護を支える取り組みを発展させます。健生会グループ(健生会・地域保健企画・三多摩福祉会)は、三多摩健康友の会や八王子たま健康友の会と手を携えて、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるまちづくりを進めます。

 発がん性がより明確になったPFASによる水汚染が多摩地域のみならず、広く全国に広がっていることが明らかになりました。この地域では、横田基地の泡消火剤漏出事故が大きな要因とみられています。健生会は、健康被害を防ぐために検査体制や相談外来の整備などをいち早く進めてきました。その取り組みは国連「ビジネスと人権作業部会」による訪日調査報告書でも高く評価されました。4月には立川駅前に新たに立川相互レディースクリニックを開設します。地域の皆さまとの協働の取り組みを継続させていきます。

2025年1月