社会医療法人社団健生会 理事長 草島 健二
昨年はコロナ感染症の流行に翻弄された1年でした。少しずつ日常を取り戻しつつあるとはいえます。当法人での感染事例の検討から、空気感染対策、つまり換気システムやN95マスクの適切な利用が肝要であることが明確になっています。本年も、北多摩西部医療圏域18病院と自治体・保健所等との会議を継続し、情報の共有とともに、コロナ医療の質を高め、安全・安心な地域を作っていきます。
さて、昨年12月に八王子・多摩地域で72年の歴史を持つ共立医療会と健生会との法人合同が実現しました。このたびの合同は、患者、職員、地域の方々と力を合わせて、民医連の無差別平等の医療介護を地域に根差し発展させる事業です。人権としての社会保障が後退させられる危機にある中、合同により私たちの経営基盤と人材育成をより強固なものにしていきます。
また、健生会は昨年10月に2025年までの第7次長期計画を確定しました。
「長計」では第一に、一人ひとりの個人の尊厳と幸せを大切にし、いのちの平等を支えるまちづくり、伴走型支援による地域包括ケアを目指し、在宅医療・介護にさらに力を入れる。
第二に、2024年秋に健生会ふれあい相互病院の病床をあきしま相互病院に移転・増床し、199床の回復期・慢性期病院として大きく拡充することを成功させる。立川相互病院の救急医療の充実と地域医療連携機能を強化し、在宅医療をしっかり支える。
第三に、先人の72年の歴史に学び、民医連を担う医療介護職員の育成を重要な課題として前進させる。
「長計」を総合的にすすめ、地域で医療介護を支える力を発揮できることを目指します。
国連の核兵器禁止条約は68カ国が批准し、核兵器廃絶に向けた大きな一歩になると期待されています。ロシアのウクライナ侵略を許さず、平和への取り組みを強化していきます。さらに、友の会との共同で、「誰一人取り残さない」まちづくり、いのちの平等と幸せを支えるネットワークを大きく飛躍させる年にしたいと考えています。
2023年4月