涼しい季節も脱水に注意しよう:暮らしの健康教室

喉が渇く前にこまめな水分摂取を
 ようやく暑さも和らぎ過ごしやすい季節になりました。汗をかくことが少なくなる時期は喉の渇きを感じにくく、水分摂取を忘れやすくなります。また秋から冬は乾燥して湿度が下がるため、皮膚から外に出ていく水分の量が増えます。そのため、知らないうちに脱水となる危険性が高くなってしまいます。

脱水で起こる症状とは
 人の身体は50~60%が水分でできています。身体の水分が少なくなるとさまざまな症状が現れます。喉の渇きを感じるときにはすでに、身体の2%の水分が失われています。さらに水分がなくなると集中力の低下や食欲不振が起き、やがてイライラ感や微熱、疲労感、尿の量が減るなどの症状が現れます。より進行すると、頭痛や筋肉痛、足のつりなどが現れ、20%の水分が失われると命に関わります。
 尿の色がいつもより濃い、皮膚の乾燥が気になる、手の甲をつまみ上げたときに3 秒以上戻らない、口の中がねばつくなどの症状があるときはすでに脱水となっている可能性があります(図)。

脱水を避ける対策を
 脱水にならないようこまめな水分摂取が必要です。起床時や入浴前後など時間やタイミングを決めて、喉が渇かなくてもコップ1杯ずつ水分を摂りましょう。カフェインやアルコールは利尿作用があるため、水分摂取を目的とする場合は避けたほうがよいです。
 食事からも水分を摂取できます。1日3食食べるようにしましょう。パンよりもご飯のほうが含まれる水分量が多いので、主食はご飯のほうがお勧めです。
 秋は1日の中でも寒暖の差が激しいため、厚着のままでいると汗をかきすぎてしまう場合があります。着脱のしやすい服装を選び、適宜体温調整をしましょう。
 空気が乾燥していても身体の水分が外に出てしまいます。暖房をつける際は濡れタオルを干したり加湿器を使用したりして加湿も併せて行うとよいです。
 気がつかないうちに脱水とならないよう、喉が渇く前から脱水対策を意識してみてください。
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◇「健康のいずみ」10月号(2023年10月5日/第598号)より

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