活動報告 ACTIVITY

健生会の認知症看護

認定看護師

認知症には個人差がある

認知症のある方は自分の気持ちを言葉で表現できなくなる事があります。
認知症看護は、その方が体験している、そしてうまく表現できない世界について想像力を働かせることから始まります。
認知症の症状の出方には個人差があり、体験している世界も一人ひとり違います。

 

例えば、毎朝、毎晩「家に帰ります」と硬い表情で帰宅願望を訴える認知症の患者さんがいらっしゃいました。
なぜ帰りたいのか聞いてみると「猫にえさをあげないと。お腹がすいているにちがいないから」とのことでした。
ご家族に聞いてみると、猫を飼っていたのはずっと昔のことだったそうです。
しかしその患者さんの世界では、猫は元気に走り回っているのでしょう。
私が「猫のことを心配していたと、私からご家族に伝えておきますね」と言うと、その患者さんは笑顔をみせて下さいました。

また私たち医療者が「良かれ」と思って行なったケアが拒否され、さらに興奮されてしまう時には「今のケアの何が不安、苦痛だったのか?」と、その方の視点で考えつつ、様々な介入を試みていきます。
その方の認知症の出方や感じ方、ケアする側の認知症への知識や経験も影響してくるので、本人や家族、地域(ケアマネ、介護、社会的サービス)の方、病院関係者など、たくさんの人から情報収集して、一緒に考えていく必要があります。

認知症ケアチームが活躍

立川相互病院では、2016年から多職種で構成された「認知症ケアチーム」が院内の認知症ケアの相談に乗ったり、認知症のある患者さんに合わせたケアの提案をしています。
また昨年度から認定看護師が中心となり、専門分野のTEN(立川相互病院エキスパートナース)を育成する取り組みが始まり、今年度は認知症分野の開設が決定しています。
今後も認知症のある患者さんがその人らしく療養生活を送れるよう支援していきたいと思います。

私は202012月に認知症看護認定看護師の資格を取得しました。
今後はTEN育成や老年看護コース研修の講師など、少しずつサポートの幅を広げて行きたいと思っています。

 

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