活動報告 ACTIVITY

6階西病棟「印象に残った事例」

若手看護師

私が働いているのは循環器内科と腎臓内科がある6階西病棟です。

循環器内科は心不全の患者の他に、ペースメーカーを挿入する方、カテーテル検査・治療をする方もいます。腎臓内科は腎不全患者の他、新たに透析を始める方、腎生検の検査をする方などがいます。

私が印象に残っている事例は、1年目の後半から2年目の途中まで入院していた男性の患者さんです。

この患者さんは脳梗塞の後遺症から失語があり、非言語的コミュニケーションや単語でのコミュニケーションが主でした。蜂窩織炎の診断で入院されましたが、その後腎機能の低下が見つかり短期カテーテルを挿入して透析開始しました。徐々に全身状態が落ちてきたため、主治医が特別許可を出し、週に1回オンライン面会をしていました。オンライン面会にはいつも妻と子ども23人が来ており、来るたびにアルバムや好きだった帽子やスリッパ、ストラップを持ってきておりベッド周りはとても素敵に飾り付けされていました。画面に映る家族を見て嬉しそうに笑ったり、指を指して嬉しそうに何かを看護師に訴えたり姿を見ると私も幸せになり、心が温かくなりました。そして、これが本来の入院生活なのだと感じました。

私はコロナウイルスが流行してから入職しており、普通に家族と面会ができた頃を知りません。家族や患者が面会したいと話しても「今はできない」と普通に断っていました。不穏になって家族の力を借りたいときに電話をしたりして少し落ち着かせたり、最期が近いからと面会しても、その時にはもう話せる状態ではなかったり、そのような家族の関わり方しか知りませんでした。知らず知らず自分の中でそれが当たり前となり、患者と家族をそれぞれでとらえていました。この患者さんが嬉しそうにオンライン面会をする姿を見て、家族と関わることで患者は元気になり、家族との関わりは治療の一環になることを再確認することができました。

今までできていた面会がコロナウイルス流行のためできなくなり、患者も家族もとても不安だと思います。この患者さんから、患者と家族の関わりを考え直すことができました。患者にとって家族とはかけがえのないものであり、家族も安心して大切な家族を預けられるよう関わっていきたいと思いました。

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