5階西病棟「印象に残っている患者さんとの関わり」
若手看護師私が勤務しているのは5階西病棟です。主に消化器・呼吸器・泌尿器・乳腺科の周術期にある患者さんの看護をしています。
その中でも私が印象に残った事例は、十二指腸穿孔で緊急手術になった女性患者さんA氏とその家族の関わりです。
A氏は乳癌術後で化学療法施行していた方です。ある日、夜間腹痛増強により、十二指腸穿孔と診断され緊急手術となりました。術後嚥下状態を確認しながら食事再開となりました。誤嚥がみられたため胃瘻造設し栄養管理を行っていました。胃瘻栄養を開始した直後より水様便と皮膚障害が発生しました。そこで医師・薬剤師・栄養士と情報共有し、薬剤や栄養剤調整を長期にわたり行いました。退院後の療養先は、患者家族ともに自宅を希望していたため、胃瘻栄養・吸引・排泄管理・皮膚処置についての指導を数回にわたり実施しました。A氏は元々日常生活に介助が必要であり、家族も自宅での介護経験がありましたが、医療的処置の手技獲得には時間を要しました。しかし、指導回数を重ねていくうちに手技に自信がついた家族と、自宅退院を楽しみにしている患者さんをみて嬉しい気持ちになりました。
自宅退院に向けて病棟看護師が支援することのひとつに家族指導があります。退院後も継続的な医療的処置が必要な場合は指導を行っています。患者家族の希望に最大限応えることができるよう、多職種との情報共有が大切だと改めて感じました。今後も患者さんやその家族の意思を尊重し関わっていきたいと思います。