手洗いの徹底、食品の十分な加熱が大切です
冬はウイルス性の胃腸炎が起こりやすい季節です。胃腸炎を起こすウイルスの代表的なものに、ノロウイルスがあります。ノロウイルスはおもに感染した人の糞便や嘔吐物の不適切な処理、ノロウイルスが付着した食品や調理器具を使用した食事などによって感染します。カキやハマグリなどの二枚貝にはノロウイルスが付着している可能性があるためとくに注意が必要です。
どんな症状が現れる?
ウイルス性胃腸炎の症状には、下痢や嘔吐、腹痛、発熱などがあります。自然に良くなっていくことが多いですが、脱水となる可能性があるため水分補給は十分に行いましょう。
症状のあるうちは、脂っこいものや刺激物、アルコール、カフェインは避けたほうがよいです。乳幼児や高齢者、基礎疾患がある方は、重症化する恐れがあるため医療機関の受診をお勧めします。
予防策は?
ノロウイルスなどのウイルス性胃腸炎には、アルコールでの消毒効果はありません。これらを予防するためには十分な手洗いが重要です。
トイレの後や調理前、食事前、生で食べる食材を取り扱う前には、必ず石鹸で手を洗うようにしましょう。食品からの感染を防ぐには、食品の十分な加熱調理が効果的です。中心温度85~90℃で90秒以上加熱しましょう。調理後は洗剤で調理器具をよく洗い、さらに0.02%の次亜塩素酸ナトリウムで消毒をするとよいです。
感染した人の糞便や嘔吐物を処理する際には、手袋やマスクなどを使用して処理する人が感染しないように注意しましょう。汚染した床は乾燥する前に、消毒をするとなおよいです。床を拭く際には外側から中心に向かって拭き、汚染を広げないようにしましょう。
症状が治まっても1週間から1カ月程度は便にウイルスが排出されます。感染を広げないために、手洗いをしっかり行うことが大切です。
日頃の感染予防と感染を広げない対策を行い、ウイルス性胃腸炎に十分注意をしていきましょう。
◇「健康のいずみ」12月号(2024年12月5日/第612号)より
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