テーマ1 「災害の10年」 私たちは困難ある場所に赴く

放射能とたたかうフクシマへのたゆまぬ視線

 地震・津波の自然災害と、原発事故という人災が同時に起きた東日本大震災。時間の経過とともに見えづらくなる、放射能汚染を風化させることなく、私たちは被災地の苦悩に医療者として長く心を寄せ支援していきたい。

福島・わたり病院への医療支援

 福島第一原発事故のホットスポットとされた地域にある医療生協わたり病院では震災後、医師や看護師をはじめ離職が相次ぎ、人員不足により厳しい病院運営を強いられることに。健生会では2013年6月より、わたり病院への医師や看護師の長期派遣を行った。
 当時のわたり病院院長・遠藤剛医師は、「私たちが再び立ち上がるための多くの支援があった。困っているところに行く、民医連とはそういう組織なのだと感銘を受けた」と話す。

福島避難住民への甲状腺エコー検診の実施

 2013年2月ふれあいクリニックでは、福島県双葉町からの40歳以下の避難住民を対象に、甲状腺エコー検査を行った。放射性物質の飛散による、とくに若年者での甲状腺がんについての不安が広がるなかで、受診した親子の母親は「娘の将来への不安」を訴えていた。

原発ゼロを訴える

 原発事故を風化させてはならない、原発再稼働を許してはならない。震災から3年目の2014年3月11日には、立川相互病院前などで職員約100人が思い思いのパネルを掲げ、原発ゼロを訴えた。

フクシマから学ぶフィールドワーク

 震災後の「福島の今の姿」を知るために、健生会では福島でのフィールドワーク研修を継続して行っている。放射性廃棄物の入った大きなフレコンバックが無数に山積みされる光景を目の当たりにし、原発事故前から原発の危険性を訴えてきた楢葉町・宝鏡寺の早川篤雄住職の怒りに満ちた思いを聞いた。この現実に対して、私たちができることは何かを考え、伝えることの大切さを学ぶ場となっている。

福島第二原子力発電所(2023年2月撮影)

各地で頻発し、激化する自然災害

 東日本大震災後も、各地で甚大な被害をもたらす自然災害が多発している。災害は、社会的弱者をさらなる困窮に陥れる。私たちは、支援を必要とする場所に迅速に赴くことをめざしている。

2018年西日本豪雨災害。医療支援や被災宅の土砂の掻き出し作業など、現地支援へ

略年表

2011年
1月
 健生会が創立60周年
2月
 立川相互病院・ふれあいクリニック・相互歯科で無料低額診療事業開始
3月
 健生会の地震救護第一陣が東北被災地に出発
4月
 東日本大震災救援で1か月間に第9次まで約100人派遣募金750万円、3か月後に1200万円超に
11月
 健生会60周年記念式典立川相互病院がユニセフのBFH(赤ちゃんにやさしい病院)に認定

2012年
3月
 大南ファミリークリニック開設
 三多摩健康友の会会員が2万3000人超に

2013年
2月
 府中診療所50周年記念式典
6月
 「健生会の60年のあゆみ」の出版祝賀会
10月
 立川相互病院リニューアル市民公開シンポジウム

2014年
2月
 羽村相互診開設祝賀会(3月3日診療開始)
4月
 病児保育ぱおぱお開設

2015年
3月
 法人第6次長計策定委員会の発足
5月
 原発事故から4年記念講演(講師:齋藤紀医師)
8月
 戦争法案・国会包囲行動(健生会355人参加)
11月
 横田基地撤去・オスプレイ配備反対包囲行動(健生会300人参加)

2016年
4月
 熊本地震被災地支援開始
7月
 法人第6次長計を決定
10月
 立川相互病院・健生会ふれあい相互病院開設祝賀会
12月
 立川駅北口に新築移転した立川相互病院、通常診療を開始

2017年
3月
 三多摩福祉会法人設立祝賀会
9月
 健生会透析40周年記念祝賀会

2012-2022