診療科のご案内

病理診断科

病理検査は患者様から提出される細胞・組織・臓器などを標本に作成し、実際に顕微鏡で見て病名をつける(=病理診断)部門です。私たち病理診断科のスタッフが実際に患者様にお目にかかることはあまり多くありませんが、病理診断によって治療が決定する際には必ず担当の臨床医とよく話し合っています。たとえば、癌といってもいろいろな種類や段階があり、患者様ご自身の体力や健康状態も人それぞれ異なります。お仕事や家庭の状況も場合によっては考慮する必要があります。手術がよいのか、抗癌剤がよいのか、もう少し様子を見たほうがよいのか、ひとりひとりの患者様にとってよりよい方針を出せるように最大限の情報提供を心がけています。
また、過去の標本や検査結果はすべて保存され、1993年以降に関してはデータベースに整理されています。以前の検査や手術について確認したり、経験を蓄積して治療に結びつけたりと、安全・安心・納得の医療を支える貴重な資料となっています。

病理検査の材料は、尿や喀痰など通常は自然に排泄されるもの、検査のために内視鏡や皮膚から針で小さくとってくるもの、手術で摘出されるものなど、目的や部位によっていくつかあります。

細胞診検査

細胞診検査で診断される代表的な疾患として、尿では膀胱癌、喀痰では肺癌、婦人科スメアからは子宮頚癌・子宮体癌などが挙げられます。その他にも乳癌や甲状腺癌が疑われる時には体表から針を刺して穿刺吸引細胞診が行われます。当院では2名の細胞検査士が担当し、悪性腫瘍が疑われる場合は複数の検査士および細胞診専門医で慎重に検討しています。

喀痰細胞診の標本

悪性中皮腫と診断された胸水細胞診の顕微鏡写真

病理組織検査

内視鏡(胃や大腸の内視鏡、気管支鏡など)検査では、診断目的に3mmくらいの組織を採取してくる「生検」のほかに、「粘膜切除」「ポリペクトミー」などといって数cmまでの病変が切除されてくることがあります。皮膚腫瘍や前立腺の針生検なども毎日のように提出されています。手術で摘出される臓器については肉眼写真の撮影の後、充分な標本を作成し病理診断を行います。場合によっては手術中に凍結切片を作成して「術中迅速診断」を行う体制を整備しています。
臓器や疾患ごとに必要な染色・酵素抗体法・蛍光抗体法を行い、さらに必要であれば専門施設に検討を依頼するなどして質的診断の向上を図っています。

大腸内視鏡生検の標本

大腸癌と診断された組織標本の顕微鏡写真

病理解剖

闘病中に亡くなった患者様の御遺族には、主治医から病理解剖をお願いすることがあります。医療内容の検証を行い医学力量の向上に役立てさせていただくことが、私たち医療者にできる大切なお弔いだと考えているからです。病理解剖の承諾があれば、病理診断科スタッフで解剖を行い、各臓器を摘出して全身を検索します。また、毎月臨床病理検討会を開催し、全科の医師で生前の病状や解剖の所見を検討しています。病理解剖の報告は毎年まとめて日本病理学会に報告し、「剖検輯報(ぼうけんしゅうほう)」という年報に掲載されます。そして病理解剖にご協力いただいた方々の慰霊祭を一年に一度、病院全体で執り行っています。

当院では立川相互病院ばかりでなく、東京民医連に加盟する診療所・病院、あるいは近隣のクリニックの病理検査を担当しています。病理診断報告はFAXを利用して迅速な報告を心がけています。また、都心の常勤病理医不在の病院における病理解剖ならびに臨床病理検討会に協力しています。

(文責 布村)

医師紹介

氏名 布村眞季
役職 科長
出身大学 京都府立医科大学(1990年卒)
資格 日本病理学会認定病理専門医、日本臨床細胞診学会専門医、死体解剖資格認定医
氏名 並木真生
出身大学 群馬大学(1964年卒)
資格 日本病理学会認定病理専門医、死体解剖資格認定医
氏名 石川雄一(がん研究所有明病院)
氏名 蛇澤晶(国立病院機構東京病院)
氏名 木谷匡志(国立病院機構東京病院)